「なでこSMILE」のアニメ感想BLOG

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「響け!ユーフォニアム」の続編について考える

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※ テレビアニメ『響け!ユーフォニアム』の一期についてネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。


「えーそれではよろしくお願いします。本日は『響け!ユーフォニアム』の続編について考えるということですが、いささか早すぎませんかね?」
「遅すぎるぐらいですね。こんな二期が発表されてからやるだなんて。一期が終わった直後に二期を確信して、その場ですぐやるべきでした!それでもファンですかあなたは。ぼけ。では始めましょうか」

  • 二期は全国大会編?

「それではまず、続編についてですが、お話的には全国大会編ということになるんでしょうか?」
「一期で府大会、関西大会、全国大会というふうにコンクールが進むと説明されていますから、順番で言えば次は関西大会ですね」
「なるほど。じゃあそこら辺も考慮して、とりあえず二期も1クールとして考えると、『関西大会編をこってり描いて、全国常連校と接戦のすえ惜しくもダメ金。全国への切符は逃して、先輩たちとの切ない別れがあるが、これは来年に向けての新たな始まりになる』、なんてのがひとつのパターンとして考えられますが、どうでしょうか?私なんかは、結構あるんじゃないかと思いますが?」
「そうですね。あるかもしれません。ですがそんなことより、今から『私がどれだけ田中あすかが好きか』という話を全力でします!」

「えーではまず、田中あすか先輩について振り返りますが、どのあたりがお好きなんでしょうか?」
「私が注目していただきたいのは、第七回『なきむしサクソフォン』です。どの話かというと、葵ちゃんという久美子の幼なじみが部活を辞めちゃうという話なんですね」
「ああ、あの三年生の晴香部長が引き留めるけど、うまくいかないという」
「そうです。そこで初めて『BLACKあすか』が牙を剥くんです。その前の話まで、優しくも厳しい先輩だった彼女が『あすかが部長やればよかったのに!』と泣き出してしまう部長に対して、雨降りの廊下で、これまで見せたことが無い冷淡な声で『だったら、晴香も断ればよかったんじゃない?』っつって微笑むんですよ!!!」
「あ、タイトルの『なきむし』って部長のことだったんだ!てっきり葵ちゃんのことかと思った」
「そうだよ!部長もサックスなんだよ!・・・でもまあ、滝先生に詰め寄られて、部活を辞めると言い出す寸前に、自分のサックスに葵ちゃんの表情がゆがんで写るっていうシーンがあるから、『葵ちゃんの心のサックスが泣いている』という風に読めないこともないな?・・・しかし今回はそれは置いといて、とにかくこの話は晴香部長がメインの話なんですが、この話から『北宇治高校吹奏楽部の暗部』へと一気にシリアスな刃が切り込んでいくという、実はとんでもない回なんです。
例えば、夏紀先輩の説明で去年の部活分裂の危機の時『あすか先輩だけはどちらにも付かなかった』とかいう台詞が出てきたり、病欠した部長の家に訪ねにいったマドンナと部長の会話で『あれだけストイックになれるのってすごいよね』とか言ってたと思ったら、味も素っ気もない四畳半の和室が画面に数秒写るんだけど、そこに田中あすかがいて、淡々とイヤホンで課題曲を聴きながら、楽譜をめくっているという凄まじいシーンがあったりするんすよ!なんなのこの人!怖すぎる!!!」
「これまで優しくてチャーミングだった人が、いざ近づいてみると実はある一定のライン以内には、絶対に入らせない人だったことがわかるということですね」
「そうなんです。その前の話なんて、葉月ちゃんを励まそうとして久美子にチューバくんのきぐるみ着せたり、葉月ちゃんの初めての合奏のアイデアに嬉しそうに乗っかったりしてた人なんだぜ?この人一体、何者なんだっていう・・・。この話から部員達の細かな心理描写を展開していく、ストーリー上の分岐点になっているんです」
「なるほど、そうですか。第七話の田中あすかが分岐点になっていると」

  • 続編の主役は「田中あすか」?

「そうです。そして彼女自身が、この物語全体のトーンの振り子の支点になっているのです。思い出して欲しいんですが、このお話は、やる気と怠惰、冷静と情熱、栄光と挫折、孤立と集団、それら二つの『対立するものの間で揺れ動く青春』をシリアスに描いていますよね」
「ええ。麗奈と久美子の関係や、トランペット対決なんかのエピソードからも端的に読み取ることができます」
「結論から先に言うと、『田中あすかこそがそれを最も象徴しているキャラクターであり、かつ彼女の持っているユーフォニアムというものが、吹奏楽というものの本質をあらわすものである』ということです」
「うーん、とりあえず私としては、彼女は優しいのか冷たいのかよくわからない。対人関係の折衝などには『意外にも』全然関わらず、後輩が私情で悩んで練習できないと『どうでもいい』と怒って出て行ってしまう。音楽さえできれば他には何もいらないドライな人という印象がありますね」
「そうですね。どっちかよくわからない。であるからして、二期では彼女がなぜこんなにストイックなのか?過去に何かあったのか、なかったのか。これからどう変わっていくのかが、これからこの作品を楽しむ上で最大のポイントだと考えています」

  • 一期から想像する田中あすかの仮面の下

「一期での彼女で、他に何か気になる点はありましたか?」
「いえ実はこれが本当に鉄壁の仮面で。良い子ちゃんの皮をぺりぺりってはがされた久美子ちゃんが、『先輩の仮面はあまりにも厚く』なんて述懐してますからね。最後の最後まで、田中先輩はあのままで走り抜けたように思いますが、一つあげるなら、最後のコンクールの演奏手前で、ぽろっと『これでもう、おしまいなんだよね』的なことを漏らしたところですね。あれ?これは弱音なんじゃないかって。初めて見せる顔だと思いました。あそこはなんだか不思議でしたね。何かが矛盾している」
「他にありますか?」
パート練習時の夏紀先輩に対する扱いが、振り返ってみればちょっと冷たかった気もしますけど、まあ去年までの吹奏楽部の雰囲気を想像すれば普通な気もします・・・。他にはそうですね。あれだ、部長が病欠明けで復帰したとき『もうしっかりしてよ~。私は楽器と戯れるためにここにいるんだから~』といつものようにおちゃらけて言ったあと、一瞬素で微笑んでいる田中あすか先輩が写るんですよね」
「ということは本心で喜んでいると」
「私はそう取りましたね。俺の大好きな田中先輩がただ冷たいだけの人なわけないですからね。心根は限りなく優しい人に決まっています」
「でもこれまたコンクール手前の最大の危機で、麗奈と滝先生が知り合いだったことがばれて、部内ががたがたになったときがありますよね」
「はい。第十回『まっすぐトランペット』ですね。傑作回です」
「そのとき低音パートのみんなが副部長であるあすかに、この分裂をなんとかしてもらえないか聞いてきてと、久美子ちゃんを会いに行かせる場面がありました」
「ええ。そこでどちらがソロパートをやるべきか、副部長としてではない『田中あすか自身の本音』を聞こうとします」
「そう。そこであすか先輩は笑って、本音として『どちらがソロをやろうが、心底どうでもいい』と言いますよね。これって結局他人のことなんかどうでもいい。コンクールも吹奏楽部の行方も、実はどうでもいいということにしか取れなくないですか?」
「そんなことはありません。よくよくそのときの田中あすか先輩を見てください。もはや仏様のような達観した表情と声をしているんです。あの遠くをみる眼差し。至極真剣な場面で『どうでもいい』なんて本気で言える人は、『どうでもよくない』ものが必ずあるからなんです。これは私が実人生で学んだことです」
「うーん」
「それに、ほらまたここでも注目していただきたいのが、マドンナである香織先輩がゆっくり立ち上がりすっと手を挙げるシーン!あのあと、またちょっとあすか先輩の顔が一瞬写って、優しそうに微笑んでるんですよ!これこそあすか先輩が実は心が優しい人である証拠です!あなたは全く興味の無い事柄に対して、こんな顔ができますか?できません!」
「それはあんたが田中あすかが好きだからそう見える、ただそれだけなんじゃないですかね?」
「だから最初っからそう言ってんじゃねえかよ!がー!!!」
「ちょっと!興奮しないで落ち着いてください!まあ、これらの部分から田中あすかがこのお話にとっての肝を象徴するキャラクターであると考えておられるわけですね。なるほど。そして、丁度折り返しである第七話で、彼女からそのテイストが加速する理由になっていると」
「そういう先ほどの結論になるわけです」

「あれ、では『彼女の持っているユーフォニアム吹奏楽の本質をあらわしている』というのはどうしてでしょうか?」
「その田中あすかが使っている楽器だからです!」
「それだと理由がサーキュレーションしてません?入り口と出口が一緒になっているような」
「・・・じゃあ勘です」
「この期に及んで何言ってやがる!!!」
「だってこの番組始まるまで、そんな楽器知りませんでしたもん!吹奏楽のことなんか全然知らないしー!!!」
「せめてもっともらしいこと言いなさいよ!・・・あと最初にぼけって言われたの忘れてねーよ?あほうが」
「だいたいの雰囲気でなんとなくそう思うんだけどナー」
「はー。しかたないですね。・・・じゃあこうしましょう。ユーフォは低音パートの楽器だけど、一番の土台であるコントラバスやチューバじゃないし、ビートを刻むようなパーカションでもない。その役割は上を滑っていくサックスやトランペットと、これらリズム隊をうまくつないでいくための潤滑油!つまりさまざまな対立構造をうまくハーモナイズするために一番必要な楽器だから、田中あすかや主人公である久美子が使っていて、それがタイトルにも使われているという・・・」
「ひょう最高!いいねー!!!それにしましょうよ!だから田中あすかが使ってるんだよ!彼女はあのシルバーの『ユーフォを使って何かと調和したい』のです!決まり!」
「あんた、本当に田中あすかが好きなだけの人なんだな・・・」

  • 田中あすかの宿命

「それにしても、これだけ重要な要素がてんこ盛りだったとアジテートされる第七話ですが、どうしてこんなに印象が薄かったのでしょうか」
「そんなに強引かなー?事実だと妄信してるんですが・・・。初めから続けて見ていると、この話は梅雨時の、地味で薄暗い人間関係の暴露がテーマだったということもありますが、それより次の第八話の破壊力がありすぎたせいで、完全に印象が薄れちゃったのではないかと思っています」
「第八回『おまつりトライアングル』ですね」
「私はエンディングの麗奈と久美子の合奏が響く中、葉月ちゃんが髪飾りを外すシーンで号泣しました。超大傑作だと思います。放送直後『熱文字』に泣きながら投稿させていただいて、ありがたくも採用してもらいました」
「これですね」
118 熱量と文字数 【15年6月のヲタ・与太・編集室】 | 熱量と文字数
「放送当時の生々しい熱量が真空パックされているので、放映時の様子を知りたい方はぜひ聞いてみてください。ありがたいことに、『えぴいろ記者』と『雄弁な猫記者』と投稿がかぶりましてね。ここまで『この1話!』のコーナーが重なるのも珍しい。大変に光栄なことです」
「どうもありがとうございました。・・・しかし、あれはやばすぎましたね。なるほど、確かに第七話以降お話自体がぐっと加速している気がしてきました」
「僕もあらためてそんな気がしてきました」
「とまあ、こんなところで、ユーフォニアムが響くとき、青春が大空へ羽ばたくと、そういう続編を期待したいところです」
「最後に一言!田中あすかは最終回あたりで宿命的にデレます!」
「わかりました。ではそろそろ終わりましょうか。・・・しかし、そんなに田中あすかが好きだったんですね!」
「もちろんですよ!まあでも一番好きなのは、葉月ちゃんなんだけどね!!!」

  • 一番好きなのは『加藤葉月』である



響け!ユーフォニアム 劇場版&続編決定記念PV